自律神経とは、末梢神経の一部で人間の身体を動かす司令塔のような役割を担っている器官です。
人間の身体には自分の意志で動かせる部位と動かせない部位があります。
例えば、腕を上にあげる、歩く、言葉を発する、モノを食べる、身体をひねるなどの動きは自分の意志で行っています。
これは末梢神経の中の体性神経が命令して身体を動かしており、個人の意思によって動かしています。
逆に、臓器の多くは自分の意志とは無関係に動いています。
例えば、心臓は 24 時間休まずに血液を体中に送っています。腸は消化された食べ物から必要な栄養素を身体に取り込んでいます。
日常生活の中で心臓や腸を自分の意志で動かしたり止めたりすることはありませんよね。
もちろん他の小さな細胞も人間が生きるために無意識のうちにいろいろな仕事をしています。
これら無意識で動いている細胞に指令を出しているのが自律神経です。
内臓が動く、血液が流れる、栄養を吸収する、老廃物を回収する等、自律神経の仕事量は計り知れません。
更に、自律神経は内臓の動きをコントロールする以外にも外部からの刺激(情報)を取り込んで身体に指示を出す働きも行っています。
例えば、外部からの光をまぶしいと感じたら瞳孔が収縮します。暑いと感じたら汗をかいて体温を調節します。
このように自律神経は外部の情報に対して反射的に指示を出して身体を動かしています。
では、自律神経を詳しくみていきましょう。
自律神経は、交感神経と副交感神経の 2 つで成り立っています。
交感神経は、起きているときや興奮しているときなど、主に活動しているときに優位に働いている神経です。
副交感神経は、睡眠時やリラックスしているときなど、主に休息しているときに優位に働いている神経です。
例えば、スポーツ観戦などで興奮しているときは交感神経が優位の状態になっています。
仕事をしたり、勉強しているときも交感神経優位の状態です。
その他、ストレスを感じているときも交感神経が優位に働いています。
逆にマッサージを受けたり、ゆったりとした音楽を聴いてリラックスしているときは副交感神経が優位の状態になっています。
交感神経と副交感神経はお互い反する性質をもっていますが、その時々によってどちらか一方が働いているわけではなく、両方がバランスよく働いています。
動いているときは、交感神経が 70%、副交感神経が 30%という場合もあれば、交感神経90%副交感神経 10%という場合もあります。
寝ているときは、交感神経が 10%、副交感神経が 90%という状態だったりします。
この割合は個人差がありますし、個人でも体調によって変化します。
自律神経を正常に保つには、交感神経と副交感神経のバランスを整えることが重要です。
自律神経が人間の身体にとって重要な役割を担っていること、交感神経と副交感神経がどのような働きを担っているのかについて見てきました。
では、具体的に自律神経が身体に与える影響や病気との関係を見ていきましょう。
自律神経は、身体を動かす司令塔の役割をしています。
この司令塔がきちん機能しなければどうなってしまうでしょう?
各臓器に正常な指示を出せなくなってしまい、身体に不調をきたすようになります。
近年多いのが、病院で診察しても原因がわからない体の不調です。
検査では原因が分からずにストレスの一言で済ませられた人も多いのではないでしょうか。
いわゆる、自律神経失調症です。
症状としては、だるさやめまい、頭痛、動機、不眠、耳鳴り、下痢など、いろいろな症状があります。
精神面でもイライラしたり、不安になったり、やる気がなくなったりという状態になります。
悪化すると、鬱病になる可能性もあります。
健康を維持するためには交感神経と副交感神経のバランスを整えることが大切ですが、現代社会は非常に多くのストレスや刺激があり、交感神経が勝ちすぎてしまっていることが一つの原因と考えられます。
交感神経優位になる原因としては、睡眠不足や多忙な仕事、暑さ、ゲームやパソコンによる刺激、いじめ、将来への不安、人間関係などがあげられます。
これらの肉体的疲労や精神的なストレスによって交感神経が活発になります。
自律神経のバランスを取るためには、睡眠やお風呂などでリラックスして休息をとることで副交感神経優位の時間をとってあげることが大切ですが、現代社会ではなかなかそれができていない人が多いのではないでしょうか。
診察時間:月曜日〜土曜日 9時〜11時半、13時〜18時
休診日:日曜、祝日
各交通事故、労災、各種保険取扱、骨折、打撲、脱臼、往診可
完全予約制での診察になります。診察予約よりご予約下さい。
住所 | 大阪市鶴見区横堤3-11-2 |
---|---|
アクセス |
|