腸は身体の中で消化、吸収、排出を行う器官です。
食べたものから必要な栄養素を吸収して不要なものを排出するという非常に重要な役割を担っています。
その大切な器官である腸の状態が良ければ、健康で免疫力も高いと言われています。
腸を大きく分けると、小腸と大腸に分かれます。
小腸は、十二指腸、空腸、回腸の 3 つの部分からなり、主に栄養素を吸収する役割を担っています。
大腸は、盲腸、結腸、直腸の 3 つの部分からなり、主に水分やミネラルを吸収し、便を作る役割を担っています。
人間の身体の中の多くの臓器や筋肉は脳の指示に従って動いています。
しかし、小腸は脳からの指示で動いているわけではなく、独自に働いている器官です。
そして、胃や肝臓、腎臓などは腸から分化した臓器なので、腸が指令を出しています。
例えば、食事をとると胃、小腸、大腸が連動して、消化、吸収、排泄までが行われますが、これは小腸が指令を出しています。
脳死状態でもこの消化・吸収機能が止まることがないのは、腸に独立した脳があるからです。
これが腸が第二の脳と呼ばれる所以です。
臓器そのものが状態を判断して働く器官ということは、人間の身体の中でも非常に重要な器官だと言えるでしょう。
さらに腸は脳と情報交換し、お互いに指令を出すこともあります。
脳が不安や緊張、あせりなどのストレスを感じると、自律神経を介して腸に伝わり、便秘や腹痛、下痢を引き起こします。
また、下痢や便秘などのストレスは自律神経を介して脳のストレスになることもあります。
腸は独立していながらも、その状態が精神面にも影響を与えるとても重要な器官なのです。
大腸には、約 100 種類以上、100 兆個の細菌がすんでいると言われています。
大別すると、善玉菌、悪玉菌、日和菌に分かれます。
善玉菌は、消化吸収を助けたり、病気に対する抵抗力をつける働きがあります。
悪玉菌は、炎症を起こしたり、臭いガスや便、口臭や体臭の原因になったり、発ガン性のある物質を作ったりします。
日和菌は中立的な立場の腸内細菌で、善玉菌と悪玉菌で優勢の方の手助けをする性質があります。
通常は善玉菌についていますが、食生活などにより悪玉菌過多になると悪玉菌につくようになります。
悪玉菌が増えると、様々な不調につながることになりますので、善玉菌優位の状態を作り腸内環境を整える必要があります。
そして、腸が担っている重要な役割がもう一つあります。
それは免疫力を高める上で重要な器官であることです。
人間の身体の中にはたくさんの免疫細胞がありますが、その6割が腸に宿っていると言われています。
人間が食べたものは、口から食道、胃を通って腸にたどり着きます。
同じように病原体やウイルスも口から入って腸にたどり着きます。
この病原体やウイルスの侵入を食い止める役割を担っている最大の免疫器官が腸なのです。
腸の免疫細胞を活性化することが免疫力を高める大きなポイントです。
このように腸は人間の身体の中でもとても重要な器官です。
健康な身体を作る上で腸の状態を整えることは大きなポイントと言えるでしょう。
腸についての一般的な悩みは便秘ではないでしょうか。
特に女性には便秘で悩んでいる方が多いでしょう。
便秘とは便が腸にたまり、排泄がスムーズにできなくなった症状のことを言いますが、特に定義はありません。
便秘は大きく分けると、機能性便秘と器質性便秘に分かれます。
機能性便秘は、胃や小腸、大腸の機能が低下して起こる便秘で、一般的な便秘のタイプは機能性便秘です。
器質性便秘は、腸の腫瘍や閉塞、炎症が原因で起こるタイプです。
機能性便秘は、腸のぜん動運動が弱くなったり、筋力の低下によって便を押し出す力が弱くなって起こったり、逆にぜん動運動が活発になりすぎて起こる場合があります。
その他、便意を我慢する癖がつくと、そのうち便意が伝わらなくなって便秘になるケースもあります。
便秘の原因はいくつかありますが、水分不足や食物繊維不足など食事が原因のもの、加齢や運動不足などによる筋力低下が原因のもの、排泄を我慢したりストレスを感じるなどストレスが原因のもの、病気が原因のものに分かれます。
これらのことから、便秘を解消して腸の状態を良くし健康な身体をつくるために、食事に気を付けたり、軽い運動を行ったり、規則正しい生活やリラックスすることで自律神経のバランスを整ることが良いとされています。
そうすることで、腸のぜん動運動が安定して活動してくれることになります。
当院では、腸の状態を整える「腸べっぴんセラピー」の施術を行っています。
便秘でお悩みの方は、腸べっぴんセラピー(腸もみマッサージ)をご覧ください。
では、腸の病気にはどのようなものがあるのかを代表的なものを見てみましょう。
病気にならない健康的な身体を作る上で、腸を健康な状態に保つことは大切なことです。
腸を健康な状態に保つためにできることを見ていきましょう。
腸を健康的な状態に保つために、腸内細菌のバランスを整えましょう。
大腸には、善玉菌、悪玉菌、日和菌が住んでいますが、善玉菌の割合が悪玉菌より多いと消化吸収が良くなったり、病気に対する抵抗力が上がります。
子供のころは善玉菌の割合が多いですが、20 歳を超え年齢を重ねるとどんどんとその割合が減ってきます。
加齢による善玉菌減少を少しでも食い止めるために重要なのが食事です。
そもそも善玉菌とは、主にビフィズス菌や乳酸菌のこと言います。
ビフィズス菌や乳酸菌の好物はオリゴ糖や乳酸菌、食物繊維などです。
食物でいうと、バナナ、豆類、ゴボウ、はちみつ、味噌、リンゴ、キャベツ、タマネギなどにに含まれています。
これらの食品を意識的に取ることで、善玉菌優位の状態を保つ手助けとなります。
逆に悪玉菌の好物は動物性たんぱく質で、肉やジャンクフードがその代表です。
日々の食事が肉食やファーストフードに偏ると悪玉菌優位を助長することになります。
悪玉菌も腸内の細菌バランスには必要な菌なので、これらの食物を食べてはダメというわけではなく、偏らないようにバランスの良い食事を心がけましょう。
腸のぜん動運動とは、腸が収縮・弛緩する動きのことを言います。
収縮・弛緩を繰り返すことで、腸の中のものが動き便意をもよおします。
人間の身体は1日3回20秒ずつぜん動運動をおこなっていますが、この運動が弱くなると便秘になります。
ぜん動運動が弱くなる原因はいくつかありますが、一つは腸の筋力の低下によるものがあげられます。
筋力の低下の原因としては、加齢によるもの、出産を繰り返すことによるもの、ダイエットによるものなどがあげられます。
その他にぜん動運動が弱くなる原因としては、ストレスによるものがあげられます。
腸のぜん動運動は自律神経が促していますが、ストレスや睡眠不足により自律神経がうまく働かないことが考えられます。
そして先に挙げた筋力の低下については、別の弊害が起こる可能性があります。
一つは腸の垂れ下がりです。
腸が垂れ下がると、肝臓や胃も下がりますし、女性の場合は子宮を圧迫することもあります。
また、臓器の圧力により血流も悪くなります。
このように腸の動きが弱まり腸が不調になると、他の臓器にも影響を及ぼします。
ぜん動運動を活性化させるためには、前項の腸内細菌のバランスを整える他、食事の時間や睡眠の時間など、規則正しい生活を送るなど、腸が活動しやすい時間を作ってあげることのが大切です。
前項にも関係しますが、自律神経のバランスを整えることが腸内環境を整える上で重要です。
腸の運動は自律神経によって促されていますが、自律神経が不調だと腸にも影響します。
腸は身体の中で最も重要な免疫器官ですので、免疫力を高めるためにも自律神経のバランスを整えることを意識しましょう。
自律神経のバランスを整える、つまり交感神経と副交感神経のバランスを整える必要があります。
自律神経を整える方法は自律神経と病気の関係をご覧ください。
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